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事例詳細

Case 107

現場と地図をつなぐ空き家管理DX 
「定点観測」の厳格化と移住促進を両立するデータ活用

client :自治体 様

Problem
課題

《 空き家管理(空き家認定・空き家バンク活用)の課題 》

〇所有者不明の空き家に対する、継続的な「経過観察」の難しさ

地方移住の促進や古民家カフェとしての有効活用(空き家バンクへの登録)が期待される一方で、所有者が分からず放置されている空き家への対応が急務となっています。
「空き家法」に基づく特定空き家の認定を行うには、国が定める基準に沿って「建築物が著しく保安上危険か」「衛生上害があるか」などを継続的に調査・記録(定点観測)する必要があります。しかし、紙の台帳や個人のフォルダに保存された写真では、「地図上のどの物件か」把握が難しく、過去と現在の状態変化(どれくらい劣化が進んだか)を時系列で比較・追跡することが非常に困難です。

〇情報のブラックボックス化と、移住希望者への情報公開の手間

せっかく調査した空き家の情報や状態が庁内だけで埋もれてしまい、全庁的な地図システム(GIS)等を用いた有効活用に向けたデータ連携ができていない(あるいは、データ連携の仕組みがない)状態です。 また、空き家バンクに登録して移住希望者や事業者へ「この物件は古民家カフェに転用可能か」といった情報を公開する際も、手作業でデータを抽出し直して写真付きの公開資料を作成する必要があり、マッチングのスピード感に欠けていました。

悩む男性のイラスト

offer
提供

「REPORT&SHARE」による空き家データの定点観測と情報公開の仕組み

「空き家認定基準」に応じたフォーム設定と、過去データに基づく定点観測
「特定空き家」の認定基準(建築物の危険度、衛生上の有害度など)に沿った点検用フォームを、ノーコード(データ定義機能)でアプリ内に独自設定できます。調査員は現場でスマートフォンから基準に沿って選択・チェックし、写真を投稿するだけで調査が完了。さらに、あらかじめ過去の空き家リストを地図上にピンとして一括インポートしておくことで、所有者不明の物件であっても「過去の状況」と「現在の目の前の状態」を地図上で直感的に比較・追跡(定点観測)できるようになりました。

CSV・GIS連携による、庁内機密データと「公開用データ」の安全な切り分け
現場から「REPORT&SHARE」に集約されたデータは、CSV形式での一括出力や、庁内GIS(ALANDIS+等)への連携がスムーズに行えます。これにより、調査データのうち「所有者確認のステータス」などの機密情報は庁内で厳重に管理(非公開)しつつ、「古民家カフェに転用可能」「地方移住者向け物件」といった空き家バンクの有効活用に必要な情報と写真だけを抽出し、安全かつスピーディに公開用データとして加工できる環境が整います。

デジタルデータのシームレスな活用で、移住希望者への提供スピードを劇的向上
これまで紙の書類や個別のフォルダに眠っていた空き家の現場情報を、「REPORT&SHARE」を通じて最初から「構造化されたデジタルデータ」として取得。このデータを市の公式なデジタルマップや空き家バンクサイトに即座に流し込むことで、利用検討者へ「どのエリアにどんな物件があるか」を直感的に提供できます。手作業での資料作成や写真整理の手間を根絶し、移住希望者や民間事業者とのマッチングスピードを圧倒的に高めます。

result
結果

  • 《 空き家管理による効果:法的な経過観察の確実化と、移住促進へのデータ利活用 》

    所有者不明の物件でも迷わない「定点観測」の確立と、認定業務の厳格化
    GPSと紐づいた時系列管理により、デジタル地図上の「過去の調査ピン」と「現在の目の前の劣化状況」を簡単に比較できるようになりました。これにより、国が定める空き家認定基準(破損の進行度など)を満たしているかどうかの客観的な証拠(エビデンス)が蓄積され、曖昧になりがちだった「特定空き家」の認定判断を、迅速かつ厳格に行える体制が整いました。

    情報公開の自動化により、空き家バンクの更新・運営コストを大幅削減
    これまで庁内で眠っていた調査データから、CSV出力やGIS(ALANDIS+等)連携を活用することで、公開可能な情報(エリア、写真、古民家カフェ等の転用可否など)だけを即座に抽出・連携できるようになりました。手作業で空き家バンク用の資料を作り直す必要がなくなり、市の公式デジタルマップや空き家バンクサイトへ向けた情報のアップデートが劇的にスムーズになりました。

    地図を活用した情報提供で、移住希望者や事業者とのマッチングが加速
    移住希望者や民間の開発事業者が、公開されたWebマップ上で「どこにどんな活用可能物件があるか」を視覚的に探索できるようになりました。立地や周辺環境がひと目で分かるため、自治体への問い合わせの質が向上し、「古民家カフェを開きたい」「地方に移住したい」という事業者や希望者とのマッチングスピードが向上。地域の資産を腐らせず、地方創生や地域活性化へ繋げるサイクルが回り始めています。



    空き家の「適切な管理」が、地域の命を守る防災対策になる
    空き家対策は、地方移住の促進や地域活性化(空き家バンクの活用)という側面に注目が集まりがちですが、実は地域の「防災・減災」において極めて重要な意味を持っています。

    近年激甚化する台風や豪雨、巨大地震の際、適切に管理されていない空き家は「屋根瓦や外壁の飛散」「建物の倒壊」を引き起こし、近隣住民に危害を加えるだけでなく、災害時の命綱である避難路(緊急輸送道路など)を塞いでしまう最大のリスクになります。特に、所有者が分からず放置された空き家は、災害時の「火災の延焼リスク」や「防犯上の治安悪化」にも直結します。
    『REPORT&SHARE』を活用した継続的な定点観測(経過観察)は、こうした危険な空き家をいち早く検知し、災害で牙をむく前に先手で安全対策を講じるための「強力なインフラ防災ツール」です。

    地域の資産を「負の遺産」にせず、次世代へつなぐ魅力的なまちづくりへ活かすこと。そして、災害に強い安全・安心な地域社会を維持すること。私たちはこれからも、デジタルマップを通じたデータ利活用で、自治体様や地域の皆様の安全な暮らしを支えてまいります。
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